窪川鶴次郎(読み)クボカワ ツルジロウ

20世紀日本人名事典 「窪川鶴次郎」の解説

窪川 鶴次郎
クボカワ ツルジロウ

昭和期の文芸評論家



生年
明治36(1903)年2月25日

没年
昭和49(1974)年6月15日

出生地
静岡

学歴〔年〕
四高〔大正12年〕中退

経歴
大正13年四高を中退、上京して貯金局に勤務。15年中野重治堀辰雄らと同人誌驢馬」を創刊、詩や小説を書く。昭和2年田島いね子(佐多稲子)と知り合い結婚した。政治運動に参加したが過労で倒れ、療養生活の後、日本無産者芸術団体協議会の機関誌「ナツプ」の編集責任者となり、プロレタリア文学評論家として活動。7年検挙され、8年転向出所。9年転向小説「風雪」を発表後、評論活動に入った。20年いね子と離婚、戦後新日本文学会のメンバーとして活躍した。29〜46年日本大学講師。評論に「〈真空地帯〉論」「石川啄木」「芥川龍之介」など。著書に「現代文学論」「近代短歌史展望」ほか。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

百科事典マイペディア 「窪川鶴次郎」の意味・わかりやすい解説

窪川鶴次郎【くぼかわつるじろう】

評論家。静岡県生れ。旧制4高中退後,上京し,1926年中野重治らと雑誌驢馬》を創刊。翌年佐多稲子と結婚(1945年離婚)。プロレタリア文学運動の中で,評論家として頭角を現し,1931年共産党員となるが翌年逮捕され,1年余で転向,その後終戦まで旺盛な評論活動を続けた。戦後は新日本文学会(《新日本文学》)の中心メンバーの一人として活動した。代表作に,《現代文学論》(1939年),《新浅草物語》(1949年)がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「窪川鶴次郎」の意味・わかりやすい解説

窪川鶴次郎
くぼかわつるじろう
(1903―1974)

文芸評論家。静岡市生まれ。旧制四高中退。在学中より短歌、詩、小説をつくり、上京して中野重治(しげはる)らと『驢馬(ろば)』を創刊する。佐多稲子(さたいねこ)と結婚。のち離婚。1930年(昭和5)からはナップを拠点にプロレタリア文学の代表的理論家として活躍。32年検挙されて転向したが、文学界の軍国主義化に抵抗し、共産主義の立場から評論活動を続けた。『現代文学論』(1939)、『再説現代文学論』(1944)は代表作。第二次世界大戦後は民主主義文学理論の展開に尽力、『短歌論』(1950)などを著した。

[吉田正信]

『小田切秀雄解説『昭和十年代文学の立場 窪川鶴次郎一巻本選集』(1973・河出書房新社)』『『現代日本文学大系96 文芸評論集』(1973・筑摩書房)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「窪川鶴次郎」の意味・わかりやすい解説

窪川鶴次郎
くぼかわつるじろう

[生]1903.2.25. 静岡,内田
[没]1974.6.15. 東京
評論家。第四高等学校中退。堀辰雄,中野重治らと同人誌『驢馬 (ろば) 』 (1926~28) を創刊。マルクス主義の影響を受け,1927年日本プロレタリア芸術連盟に参加。以後,第2次世界大戦後の新日本文学会にいたるまで一貫してプロレタリア文学運動の消長と行を共にした。著書に『現代文学論』 (39) ,『近代短歌史展望』 (54) ,『昭和十年代文学の立場』 (73) などがある。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「窪川鶴次郎」の解説

窪川鶴次郎 くぼかわ-つるじろう

1903-1974 昭和時代の文芸評論家。
明治36年2月25日生まれ。大正15年中野重治らと同人誌「驢馬(ろば)」を創刊。昭和2年佐多稲子と結婚(のち離婚)。プロレタリア文学の評論に活躍し,7年検挙,投獄され,のち転向。戦後は新日本文学会で活動した。昭和49年6月15日死去。71歳。静岡県出身。第四高等学校中退。評論に「現代文学論」「短歌論」,小説に「風雲」。

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367日誕生日大事典 「窪川鶴次郎」の解説

窪川 鶴次郎 (くぼかわ つるじろう)

生年月日:1903年2月25日
昭和時代の文芸評論家
1974年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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