室町中期から江戸初期まで断続的に存在した漢画系画派。その祖は朝鮮からの来舶画人、李秀文(りしゅうぶん)と伝えられるが詳細は不明。代々越前(えちぜん)(福井県)朝倉家に絵師として仕えて曽我姓を名のり、墨渓(ぼっけい)(1473年没、『達磨(だるま)図』、京都・大徳寺真珠庵(あん))、宗丈(そうじょう)(1512年以前に没、真珠庵客殿襖絵(ふすまえ)『四季山水図』)、紹仙(しょうせん)(『山水図』、東京・根津美術館)、宗誉(そうよ)(『花鳥人物図』真珠庵)などの画人が知られるが、彼らは別に「蛇足(じゃそく)」を号したともいわれる。一休宗純(そうじゅん)との関係が深く、そのため京都・大徳寺真珠庵に遺作が多く、それぞれ特異な画風を示した。一時途絶したのち桃山時代に越前から堺(さかい)へ移住した曽我直庵(ちょくあん)が蛇足号を継承して6世を称したが、その出自にはいまだあいまいな点が多い。直庵は桃山期の画家のなかでは保守的傾向が強く、室町漢画の手法を取り入れたやや粗豪な画風を特色とし、花鳥画、とくに鶏、鷹(たか)を得意とした。二直庵(にちょくあん)はその子。なお江戸中期の画家、曽我蕭白(しょうはく)(1730―81)は蛇足10世を名のったが、血縁関係は認められず曽我派との関連性はない。
[榊原 悟]
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