デジタル大辞泉
「蛇足」の意味・読み・例文・類語
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だ‐そく【蛇足】
- 〘 名詞 〙 ( 「だ」は「蛇」の慣用音 )
- ① 蛇(へび)の足。じゃそく。
- ② ( 蛇の絵を早く描く競争で、最初に描いた者が足まで描いて負けたという「戦国策‐斉策上・閔王」の故事から ) よけいなもの。なくてもよい無駄なもの。じゃそく。
- [初出の実例]「未レ免三更添二蛇足一」(出典:丱余集(1409頃)下・識心同居埜語)
- 「五郎蔵が彼女を殺害なせしなどと、蛇足(ダソク)を添へて言はんは必定」(出典:歌舞伎・曾我綉侠御所染(御所五郎蔵)(1864)六幕)
じゃ‐そく【蛇足】
- 〘 名詞 〙 ( 「じゃ」は「蛇」の呉音 )
- ① 蛇(へび)の足。
- ② ( 蛇を描く競争で足まで書き加えて負けたという「戦国策‐斉策上・閔王伝」の故事から ) 余計なもの。あっても何の役に立たないもの。不必要なもの。だそく。
- [初出の実例]「亀毛蛇足(ジャソク)の説といへども、等間(なほざり)の看をなすことなかれ」(出典:洒落本・大通秘密論(1778))
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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蛇足
余分なもの、なくてもよいむだなもののたとえ。
[使用例] 僕の母の意向は無論聞くまでもなかった。したがって百代子の年寄二人から齎らした返事もここに述べるのは蛇足に過ぎない[夏目漱石*彼岸過迄|1912]
[使用例] こういう議論は、ハンチントンの研究の中では全くの蛇足なのであって[中谷宇吉郎*清々しさの研究の話|1938]
[由来] 「[戦国策]―斉策」に見える話から。中国の戦国時代、楚という国の大臣が、魏の国と戦って勝ち、余勢を駆って斉の国まで攻め込もうとしたときのこと。斉から使者がやってきて、こんな話をしました。「主人からもらったお酒を賭けて、だれが最初に蛇の絵を描き上げるか、競争をした人たちがいました。いちばん先に絵を描き上げた人が、調子に乗って蛇に足を付け加えようとしたところ、それが終わらないうちに蛇を描き上げた人が、こう言いました。『もともと蛇には足がないんだから、足なんか描けるもんか』。結局、最初に蛇を描き上げた人はお酒を飲ませてもらえなかったということです」。それを聞いて、魏を相手に勝利を収めたのだから、斉と戦うのは余分なことだとさとった楚の大臣は、そのまま兵を引き上げたのでした。
[解説] ❶蛇に足を付け足すのは余分だ、というのは、わかりやすいですが、けっこう奇抜なたとえです。これが、自国が攻め込まれるかもしれないという切羽詰まった状況の中で生まれたと知ると、意外な重みに驚くのではないでしょうか。❷単に「余分」を指摘するだけではなく、「もう十分なのにまだやるの?」という文脈で使うと、効果的です。
〔異形〕蛇を画いて足を添う/蛇の為に足を画く。
出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報
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普及版 字通
「蛇足」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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蛇足(故事)
だそく
よけいなもの、なくてもよいむだなもの。「じゃそく」ともいい、転じて無益なこと、よけいなしわざをいう。中国、戦国時代の楚(そ)の国で、乏しい酒をめぐって数人の男が、早く蛇の絵を書き上げた者が、それを飲むという約束で競争をした。最初に仕上げた男が、余裕を示そうとして、左手に巵(さかずき)をとり、右手で蛇の足を書き加えたため、失格して酒が飲めなかった、と伝える『戦国策』「斉策上」の故事による。
[田所義行]
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世界大百科事典(旧版)内の蛇足の言及
【曾我蛇足】より
…室町時代の画家の名とされるが,諸説があり不明な点が多い。現行の説で有力なものは,(1)蛇足軒は大徳寺真珠庵客殿の《山水花鳥図襖》あるいは群馬県立近代美術館蔵の《山水図》などを描いた夫泉宗丈(ふうせんそうじよう)(曾我派第2代,別号赤蠅)の軒号であり,確かに存在した名前である,(2)蛇足は江戸時代以降の文献にのみ見られる名前であり,真珠庵創建当時の画人の名としては確認できないので,後世混入の訛伝にほかならない,の2説がある。さらに最近は,(3)蛇足は墨渓以後の曾我派が代々用いた軒号であり,確かに存在した名前ではあるが一人の人物に確定することはできない,とする説も出されている。…
※「蛇足」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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