曾々木(読み)そそぎ

日本歴史地名大系 「曾々木」の解説

曾々木
そそぎ

[現在地名]輪島市町野町曾々木

時国ときくに村北部一帯の地域呼称。岩倉いわくら(三五七メートル)を背に日本海に面する。「能登志徴」に「むかしは此所へ近里産神二十一社の神輿、毎歳六月晦日御幸有て、御宿座御祓の神事あり」とある。もとは地名を「みそぎ」と称したとも伝え、海岸には千体地蔵せんたいじぞう権現岩ごんげんいわ行者穴ぎようじやけつなどと称される岩があり、岩倉山を霊山とする信仰の跡をうかがうことができる。曾々木海岸は国の名勝及び天然記念物に指定されている。

浜では古くから揚浜式の製塩が行われ、集落の西、町野川河口には湊があった。もとは一村として独立していたが、江戸初期に時国村に含まれた。天正三年(一五七五)六月一三日の小刀禰兵衛次郎請文(上時国家文書、以下断らない限り同文書)によれば、兵衛次郎らが時国家の梶を盗み売ったことに対して、本来ならば「たちまちくひを御きりあるへき」ところを時国家の被官となり、新開などに励むことを条件に時国四郎三郎が許している。なお「そゝき浦」の大刀禰藤四郎・田中孫三郎ら五名が保証刀禰として押印している。翌四年一一月の下町野庄岩蔵年貢米上成算用状に年貢納入の請負人として「そゝ木孫三郎」の名がみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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