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月物質 つきぶっしつlunar material

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

月物質
つきぶっしつ
lunar material

を構成する岩石や土壌については,アメリカのアポロ計画によって地球へもたらされたものや,旧ソ連のルナ 16,20号無人宇宙船によって採集されたものなどから,いろいろのことが明らかにされた。まず月面上には厚さ 10cm程度の非常に細かい土壌があり,その下には厚さ 10~30mの表層土壌が固まったような比較的硬いレゴリスと呼ばれる層がある。レゴリスの下は角礫岩玄武岩などの岩石から成る。月の岩石は大別すると,(1) 月の海玄武岩,(2) 斜長岩質角礫岩,(3) その他,に分けられる。月の海玄武岩は,鉄やチタンに富む暗い色をした玄武岩で,月の海の部分を形成する。斜長岩質角礫岩はカルシウム,アルミニウムに富んだ白っぽい色の岩石で,実際にはいろいろの岩石が寄集って角礫岩となったもので,月の高地の部分を形成する。その他の岩石としては,カリウムや希土類元素を特に濃集した KREEP玄武岩と呼ばれる特異なものや,月のマントルに由来したと思われる橄欖岩などがある。一般に月岩石は地球の岩石に比べ揮発性元素に乏しく,不揮発性元素に富む。したがって水はまったく月の岩石にはみられず,含水鉱物はない。月の岩石の年齢は 30億年から 46億年という大変古い年代を示す。これらは月の地質活動がずっと昔に終了したことを意味するものと考えられる。月物質の研究を通して,月の内部構造や進化と起源について詳しい研究が現在も行われている。

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