有坂(読み)アリサカ

日本歴史地名大系 「有坂」の解説

有坂
ありさか

[現在地名]長門町大字古町

長窪村の北西部にある集落。鎌倉中期の「蒙古襲来絵詞」に「信濃国の御家人ありさかのいや二郎(有坂弥二郎)」とあるのは有坂出身の者であろう。建武二年(一三三五)の中先代の乱では有坂の戦がある(市河家文書)。応永七年(一四〇〇)更級さらしな郡の大塔合戦の模様を伝える「大塔物語」には善光寺妻戸時衆常葉入道の妻が、諏訪から峠を越えて丸子まるこ(現丸子町)へ向かう途中、有坂で一泊しているから、依田窪よだくぼ南部を通る中世の道筋であった。

永正三年(一五〇六)下諏訪春秋両宮御造宮帳(諏訪大社上社文書)によれば、春宮二之御柱造宮料として「同庄有坂分 合籾卅三俵五升此代六貫六百五十文」を割り付けられた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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