有文(読み)ウモン

デジタル大辞泉 「有文」の意味・読み・例文・類語

う‐もん【有文】

衣服・冠などに模様のあること。⇔無文
和歌連歌俳諧で、技巧趣向のおもしろさが目立つもの。⇔無文
「歌にも連歌にも―無文と云ふ事あるなり」〈九州問答〉
能楽で、見かけの効果的な美しさの表現。⇔無文
「―、無文の心根尽きて、けたる位にものぼるべし」〈申楽談儀

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「有文」の意味・読み・例文・類語

う‐もん【有文】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 模様や彫刻などがあること。⇔無文
    1. [初出の実例]「公卿、有文玉帯餝劔、平緒靴」(出典:江家次第(1111頃)一)
  3. 能楽で、人の耳目をひきつけるような技巧的なはなやかな美、音の調べなどのこと。⇔無文
    1. [初出の実例]「此位に至る音曲は、有文・無文・いづれへも心のままに曲躰をなすべし」(出典:風曲集(1423頃))
  4. 和歌、連歌、俳諧などで、外面的なことばの技巧や趣向の面白さが目だつもの。⇔無文。〔九州問答(1376)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android