朝熊村(読み)あさまむら

日本歴史地名大系 「朝熊村」の解説

朝熊村
あさまむら

[現在地名]伊勢市朝熊町

五十鈴川と朝熊川の合流点より朝熊川側のやや上流にある。臨済宗南禅寺派の金剛証こんごうしよう寺への登拝口にあたり、参宮者の多くが登山したため、近世は旅籠屋・茶屋が多く繁華の地であった。当村から東へは鳥羽に通ずる堂坂どうさか越、北へは二見ふたみに通ずる間道があり、西には一宇田いちうだ村・楠部くすべ村を経て宇治および山田に通じた。

古代は「和名抄」記載の宇治郷の内であった。「吾妻鏡」は治承五年(一一八一)三月六日条に、同年正月二六日「熊野山湛増之従類」が山田・宇治両郷を襲い人家を焼払い財物を奪取したことを記している。同年二月日の二所太神宮神主牒(神宮雑書)は「熊野山逆賊等」の追討を「出羽守并平蔵人」に命じたもので、「於宇治郷字朝熊山数多強盗人出来」とあり、当地も襲われている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

世界の電気自動車市場

米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...

世界の電気自動車市場の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android