ミイラ【木乃伊】
〘名〙 (mirra mirre)
※伴天連記(1610‐15頃)「みいらと云油を持て
参、
是は諸病ふせぐ薬なりとて」
② (転じて) 人間または動物の死体が
腐敗せずに乾燥して固まり、もとの形に近い状態で残っているもの。サハラ地方などの乾燥地域で多く発見される天然のものと、エジプトなどで宗教上の
信仰から、人間の死体にある処置を施して腐敗を防いで作った
人工のものとがある。また、日本には、
僧侶などを防腐・乾燥したもの、奥州藤原一族に見られるように密閉した棺内に保存したもの、
砂地などで死蝋化したものなどがある。
蜜人(みつじん・みちひと)。〔多識編(1631)〕 〔本草綱目‐人部〕
[語誌]「木
乃伊」という表記は、中国元代の「
輟耕録」以来行なわれており、
オランダ語「mummie」の
漢訳という。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
ミイラ(〈ポルトガル〉mirra)
人間や動物の死体が腐敗せずに原形に近い状態を保っているもの。土地や空気の乾燥・寒冷などによる天然のものと、宗教上の理由から遺体の保存を望み、種々の防腐・保存処置を施して作る人工のものとがある。エジプトをはじめ世界各地にみられる。
[補説]「木乃伊」とも書く。「木乃伊」は、〈オランダ〉mummieの漢訳で、没薬の意。
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