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輟耕録 てっこうろくChuo-geng-lu

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

輟耕録
てっこうろく
Chuo-geng-lu

中国,元末の随筆。正しくは『南村輟耕録』。陶宗儀の著。 30巻。元の法制,風俗,元末の動乱,さらに経,史の考訂,書画骨董の品評など,思いつくままに記したもので,詩詞,小説,戯曲についての資料も含み,文学史を研究するうえで貴重な書。耕作の間に葉に書きつけたものを甕 (かめ) にためてできたと伝えられている。

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世界大百科事典 第2版の解説

てっこうろく【輟耕録 Chuò gēng lù】

中国,元・明間の人陶宗儀の随筆集。30巻。1366年(至正26)の序がある。《南村輟耕録》ともいう。元末の戦乱を江蘇省松江の南に避けて半耕半読の生活を送っていた著者が,農耕の間に樹陰に憩うたとき,気づくままに樹葉に記したという,10年間のメモをまとめたもの。その内容は制度・文物から戯曲・小説および書画に至るまで多端にわたり,異民族の統治下にあった元代社会について類例のない貴重な資料を提供してくれる。

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世界大百科事典内の輟耕録の言及

【元】より

…しかもその一部は元朝に採用され(上記の人頭税的田賦,公課の銀納制以外にウイグル文字,パスパ文字,ラマ教,回回暦法の採用がある),ないしは国家制度の対象ともなったのであるから(回回司天監,広恵司(回回薬物の修製),回回国子監,崇福司(キリスト教徒を管理する),回回哈的所(イスラム教徒を管理する),宣政院(ラマ教徒を管理する)),ある程度までそれがモンゴル支配層のあいだに浸潤していたはずであるが,こと中国人社会との接触となるとほとんどその痕跡が見当たらない。《輟耕録》が元末の杭州城内に居住する回回人についてその異様な婚礼儀式を特筆しているように,色目人の生活文化は中国人社会のそれとは隔絶していたわけである。したがって伝統を保守する中国人社会にとって元朝の採った科挙制度の廃止は,その学問・文化に甚大な影響を与えずにはおかない。…

【そろばん(算盤)】より

…《静修先生文集》(1248‐93)に〈算盤〉の語がある。元代の《輟耕(てつこう)録》(1366)に〈擂盤珠〉〈算盤珠〉〈仏頂珠〉の語がある。漢字を覚えるための絵本《魁本対相四言》(1371)には,今日の中国算盤と同じ絵が書かれている。…

※「輟耕録」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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