木挽町辨松(読み)きびきちょうべんまつ

知恵蔵mini 「木挽町辨松」の解説

木挽町辨松

1868(明治元)年創業の弁当店。東京都中央区の銀座歌舞伎座の前に本店を構え、歌舞伎座や、近くの新橋演舞場の観劇客が幕間に食べる弁当として長く親しまれた。また、地域の祭りや、家を建てる際の上棟式、端午節句や成人式などの仕出し弁当としても広く利用されてきた。しかし、慶弔儀式の簡略化などに伴ってこうした需要が減ったうえ、後継者不足や設備の老朽化支店を出していた渋谷東急東横店(東京都渋谷区)の閉店などによる経営難が続いた。2020年にかけて新型コロナウイルス感染が拡大し、歌舞伎座や新橋演舞場の臨時休演が続いたことが追い打ちとなり、同年4月20日の営業を最後に廃業した。

(2020-4-23)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

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