国内で消費される木材のうち、国産材の占める割合を示す指標。国内の木材生産量を国内総需要量で割って算出する。海外への木材輸出量が多く、国内生産量が国内総需要を上回っている場合、木材自給率は100%を超える。日本では林野庁が毎年、算出している。日本は国土の約7割を山林が占める森林国であるが、2012年(平成24)の木材自給率は27.9%にとどまり、国内需要のほぼ7割をアメリカ、カナダ、ロシア、オーストラリア、中国などからの輸入に頼っている。木材自給率が100%を超えるロシア(2005年実績で189%)、スウェーデン(同139%)、フィンランド(同126%)など他の森林国には遠く及ばず、アメリカ(同86%)、中国(同69%)などに比べても極端に低い。
日本の木材自給率は1955年(昭和30)時点では94.5%であったが、1964年の木材輸入の全面自由化で、割安な外国産材の輸入が急増。急傾斜地が多く作業コストのかさむ日本の林業は国際競争力を失い、国産材の価格低下が続いた。これに林業労働者の高齢化、廃業、後継者難が重なり、戦後復興期に大量に植林されたスギ、ヒノキの間伐などの手入れが十分にできず、山林が荒れて日本の林業は衰退し、2000年には18.2%まで低下した。しかしその後、環境保護のための森林伐採規制の導入やBRICs(ブリックス)等、新興国での木材需要の増加などから国際的な木材価格は上昇し、日本の林業の生産性も相対的に向上しつつある。森林のもつ土砂流出防止機能、水源涵養(かんよう)機能、二酸化炭素の吸収機能といった公益的価値が見直され、また、木材の自国消費を促すことで輸出入に伴う木材輸送コストを抑えるという「ウッドマイルズ」の機運も国際的に高まった。このため政府は2009年に「森林・林業再生プラン」を策定し、日本の林業を成長産業に育て、木材自給率を2020年までに50%まで引き上げる目標を盛り込んだ。2013年と2014年には、木造住宅の建築、リフォーム時や、木材製品、薪(まき)ストーブなどの購入時に、地域の農林水産品や商品券などと交換できるポイントがもらえる「木材利用ポイント」制度を実施し、国産材の消費を促している。
[編集部]
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