木村嘉平(読み)きむらかへい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「木村嘉平」の意味・わかりやすい解説

木村嘉平
きむらかへい

江戸時代の天明(てんめい)年間(1781~89)から明治まで約100年間続いた木版彫刻師。木村家は初代から5代まで、代々嘉平を称してその家業を継いだ。文字の彫刻が精巧であったのと、版本の巻末にその名を付刻したので、刻工第一人者として広く知られた。木村嘉平の刻本は多数現存しているが、なかでも4代昌義(まさよし)が復刻した『古逸叢書(こいつそうしょ)』は有名である。また、3代房義(ふさよし)は島津斉彬(なりあきら)の依頼によって、洋式鉛活字の刻字鋳造に初めて成功した。

[福井 保]

『木村嘉次著『字彫り版木師木村嘉平とその刻本』(1980・青裳堂書店)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「木村嘉平」の解説

木村嘉平(3代) きむら-かへい

1823-1886 幕末-明治時代の木版彫刻師。
文政6年生まれ。江戸の人。家業をつぎ,精巧な木版字彫りで知られる。安政元年鹿児島藩主島津斉彬(なりあきら)の依頼をうけ,11年かかって洋式鉛活字の刻字,鋳造にはじめて成功した。明治19年3月26日死去。64歳。名は房義(ふさよし)。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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