木綿付け鳥(読み)ユウツケドリ

デジタル大辞泉 「木綿付け鳥」の意味・読み・例文・類語

ゆうつけ‐どり〔ゆふつけ‐〕【木綿付け鳥】

《昔、世の中が乱れたとき、鶏に木綿ゆうをつけて都の四境関所はらえをしたところから。「ゆうつげどり」「ゆうづけどり」とも》別名
逢坂の―にあらばこそ君がゆききをなくなくも見め」〈古今・恋四〉

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精選版 日本国語大辞典 「木綿付け鳥」の意味・読み・例文・類語

ゆうつけ‐どりゆふつけ‥【木綿付鳥】

  1. 〘 名詞 〙 ( 後世「ゆうづけどり」「ゆうつげどり」とも。古代、世の乱れたとき、四境の祭といって、鶏に木綿(ゆう)をつけて、京城四境の関でまつったという故事に基づく ) 木綿をつけた鶏。また、鶏の異称。木綿付の鳥。
    1. [初出の実例]「相坂のゆふつけどりもわがごとく人やこひしきねのみなくらむ〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)恋一・五三六)

木綿付鳥の補助注記

俊頼髄脳」では「ゆふつけどりとは鶏の名なり。鶏に木綿をつけて山に放つまつりのあるなり」と説明されていたが、「奥義抄」が、それを疫病流行の際に朝廷四方の関で行う四境祭の儀式であると説き、「袖中抄」「顕昭古今集注」もこれを継承した。

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