本向寺
ほんこうじ
[現在地名]美山町市波
市波の南の山麓にある。浄土真宗本願寺派。隆向山と号し、本尊は阿弥陀如来。開祖は源頼朝の重臣千葉常胤の四男大須賀胤信と伝え、親鸞に帰依して本光坊明空と称し、当地に一寺を創建したという。二代明堅の時、北方の大谷村に移り、五代了顕の時、蓮如の吉崎御坊建立に伴い、吉崎(現福井県金津町)に多屋とよばれる坊舎を構えた。了顕は文明六年(一四七四)三月吉崎御坊の火災の際、猛火の中に飛込み、蓮如愛用の親鸞真筆の教典を自分の腹を割って中へ押込んで守り、自身は焼死したという。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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