本国寺(読み)ほんごくじ

日本歴史地名大系 「本国寺」の解説

本国寺
ほんごくじ

[現在地名]身延町下山

南松なんしよう院の東に位置する。長栄山と号し、日蓮宗本尊は十界曼荼羅。「寺記」によると、当初は真言宗の寺で地頭下山兵庫之介光基の菩提所であったが、文永年間(一二六四―七五)に住職最蓮坊が日蓮弟子となり転宗。最蓮坊は日浄と号して当時の開山となり、日蓮から御祈祷経必書二巻を与えられた。延慶元年(一三〇八)に日浄が死去すると、下山光基は嫡男四郎兵衛光次に家督を譲り、落髪して日蓮の弟子となり西林坊日芳と号し、中興開山となる。これに対し、「甲斐国志」による由緒は以下のとおり。天台宗学僧で当寺の開山となる最蓮が佐渡に流されていたところ、文永九年に同じく佐渡に配流されていた日蓮に会って弟子となり、名を最蓮房日浄(日栄ともいう)に改めたという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の本国寺の言及

【日静】より

…そのころ,上洛弘通(ぐづう)していた日印の門下日祐に招かれて上洛した。45年(興国6∥貞和1)本勝寺を京都六条に移して本国寺(本圀(ほんこく)寺)と号し,足利尊氏との俗縁により公武の外護(げご)を得て盛んに法陣を張り繁栄を示した。その流れを六条門流という。…

※「本国寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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