改訂新版 世界大百科事典 「朱徳潤」の意味・わかりやすい解説
朱徳潤 (しゅとくじゅん)
Zhū Dé rùn
生没年:1294-1365
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… 続く元の時代は,その意味で,自己の伝統を伝統として自覚し再把握すべき時期であった。300年以上も前の五代・北宋初の画家董源,巨然に範を求め,山水表現と造形素材それ自体のもつ効果とを拮抗させて作りだす美的可能性をある極限にまで高めた元末四大家,黄公望,呉鎮,倪瓚(げいさん),王蒙や,百数十年にわたる南宋・金対立時代を飛びこえて北宋の李成,郭熙らの達成した精緻な空間表現に回帰しようと試みた,曹知白(1272‐1355),朱徳潤ら元代李・郭派に属する画家たちはもちろん,南宋画院の流れをくむ画家たちにとってもそれは同様である。いやむしろ,元代からさらに明代中期までは,北宋華北山水画から南宋院体画風をも含めたより幅広い伝統によった,元の四大家以外の系統の画家たちの方が山水画壇の中でより大きな位置を占める一方,明代も中期以後になって,元の四大家につながる画家たちが勢力を増してくる。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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