杉野屋村(読み)すぎのやむら

日本歴史地名大系 「杉野屋村」の解説

杉野屋村
すぎのやむら

[現在地名]志雄町杉野屋

菅原すがわら村の北に続く村で集落西縁を内浦街道が通る。垣内浜田はまだがある。菅原村とともに京都北野天満宮領菅原庄に属し、地内に菅原神社を祀る。往古は菅原下村と称したという(能登志徴)。東方丘陵裾部から子浦しお川右岸の低地にかけて弥生時代・平安時代の複合集落遺跡杉野屋ロクバワリ遺跡がある。弥生時代の溝跡・井戸跡・土坑・矢板列と弥生式土器(後期)、環状石斧片・砥石・木器類、種子(トチ、クルミ、モモ)と、平安時代後期の石帯(巡方)須恵器土師器などが出土。文明一八年(一四八六)、京都聖護院門跡道興が石動せきどう山参詣の途次に通過、「待人の思ふしるしはみえねともとはてはいかゝ杉の屋の里」と詠じている(廻国雑記)。天正五年(一五七七)一一月一日の免田指出案(気多大宮司家文書)に「すきのや村ヨリ 三十二俵九舛 大すみ殿分入くミ」とあるように気多社神官方の免田が散在、能登守護畠山氏の一族畠山大隅の支配が及んでいた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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