李継遷（読み）りけいせん（英語表記）Li Ji-qian; Li Chi-ch`ien

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

李継遷
りけいせん
Li Ji-qian; Li Chi-ch`ien

[生]963
[没]1004
中国，西夏国王室の祖。諡，神武皇帝。廟号，太祖。定難軍節度使李継捧が所管の夏，銀など5州を献じて宋に服属すると (982) ，その族弟の彼は少数の部下と脱走，衆を集めて銀州を攻取，遼に服属してその王女をめとり，夏王に封じられた。彼はたびたび宋に侵入し，宋の討伐も効果がなく，宋の真宗はついに彼を節度使に任じ，上記5州を与え，ここに彼は旧領を回復した。しかし 1002年再叛し，霊州を奪ってその土地に拠り，翌年西涼を攻取し，河西地方に進出したが，偽りくだった西涼の首領の反撃に敗れ，負傷して死亡した。

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世界大百科事典（旧版）内の李継遷の言及

【西夏】より

…中国の西北部，寧夏，甘粛，オルドス，陝西の諸地域を領有した。
［概観］
　唐･五代にわたり，中国西北辺境で発展を重ねたタングート族は，宋初に入って夏州李氏の間に内訌の続いた結果，定難軍節度使，李継捧(？‐1004)は所管の夏･銀･綏（すい）･宥（ゆう）4州を宋に献じたが，これに反対する族弟，李継遷(963‐1004)は宋への抗戦を始め，しだいに故地を回復し，1002年(咸平5)には西北の要衝，霊州を陥れ，西平府と改称してここへ移り，河西方面への突破口を開こうとした。李継遷の後をうけたその子，李徳明は宋･遼との衝突をさけ，もっぱら宋との経済外交に努め，07年(景徳4)には榷場(官営貿易場)貿易の開始に成功した。…

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出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」