山川 世界史小辞典 改訂新版 「東フランク」の解説
東フランク(王国)(ひがしフランク)
Francia Orientalis
ルイ1世(敬虔王)の没後,3人の息子たちの間で生じた争いを終わらせたヴェルダン条約(843年)により,カロリング帝国が分割されて生まれた王国の一つで,次男のルートヴィヒ2世(ドイツ人王)に与えられた領域。中世ドイツ王国の空間的基礎となるフランケン,ザクセン,シュヴァーベン,バイエルンなどで,870年のメルセン条約により,さらにアーヘン,モーゼル・ラント,ロレーヌ,アルザスの諸地方も加わった。911年にルートヴィヒ2世の曾孫にあたるルートヴィヒ4世(幼童王)の死によって実質的にカロリングの血統は断絶し,フランケン大公コンラート(1世)が短期間支配したのち,919年ザクセン大公ハインリヒ(1世)が即位し,ここに中世ドイツ王国が誕生する。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報