東峰(村)(読み)とうほう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「東峰(村)」の意味・わかりやすい解説

東峰(村)
とうほう

福岡県の中南部、朝倉郡(あさくらぐん)にある村。2005年(平成17)、小石原村(こいしわらむら)、宝珠山村(ほうしゅやまむら)が合併して成立。東部は英彦山(ひこさん)山地、西部は古処(こしょ)山地の山々からなる山村で、冬季には積雪をみることも多い。東端部をJR日田彦山(ひたひこさん)線が南北に走り、南流する大肥(おおひ)川に沿って、村の中央部を国道211号が縦貫北部を西流する小石原川に沿って国道500号が横断する。高冷地を生かした農林業が主産業で、野菜、果樹、花卉(かき)のほか、木材、シイタケ、クリなどを産するが、過疎化が進んでいる。宝珠山竹地区の棚田は「日本の棚田百選」に選出。当地は英彦山と宝満山(ほうまんざん)とを結ぶ峰入行者道にあたり、修験関係の遺跡・伝承が多く残される。明治中期以降に宝珠山炭坑(のち朝倉炭田)が開発されたが、1963年(昭和38)閉山。当時の炭坑クラブの建物が移築され、山村文化交流の郷「いぶき館」として英彦山修験や炭坑隆盛時代の歴史資料を展示。小石原皿山(さらやま)周辺には小石原焼の窯元約50軒が点在し、小石原焼伝統産業会館がある。村の北部、大肥川西岸の権現岩とよぶ大岩の下の窪みに岩屋神社(いわやじんじゃ)が鎮座同社本殿は、奥院にあたる境内社熊野神社の本殿(岩窟の中に懸造り)とともに国指定重要文化財。面積51.97平方キロメートル、人口1899(2020)。

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