東市来町
ひがしいちきちよう
面積:七〇・九〇平方キロ
薩摩半島の北西部に位置し、東は郡山町、南は日吉町・伊集院町、北は市来町・薩摩郡樋脇町に接する。町の西部は吹上浜砂丘が広がり、東シナ海に面している。北東部の重平山(五二三・一メートル)・中岳(三九三メートル)・大峰ヶ原など標高数百メートルの旧期火山岩山地と、南西部の中生層の低山地以外は、標高五〇―一八〇メートルの火山灰台地である。これを大里川・江口川・神之川などが浸食して盆地状の谷底平野を形成しており、水田はこの流域に開けている。江口川の水源の一つは伊集院町赤仁田に発し、他の一つは当町重平山に発し、上流部で合流する。養母・長里を西流して伊作田を経て江口浦で東シナ海に注いでいる。川幅の最大は三七メートル、全長約一四キロである。畑地は丘陵部に分布し、大部分は火山灰土壌である。海岸部は約六キロあり、吹上浜県立自然公園の一部をなしている。町の南部をJR鹿児島本線と国道三号が南北に並行して走り、JR湯之元駅・東市来駅がある。また海岸部を国道二七〇号が通じる。
遺跡は海岸近くや大里川・江口川・野田川などに面した台地上にある。伊作田の堂園平遺跡・今里遺跡では三稜尖頭器などのナイフ形石器文化期のものが出ている。伊作田の向栫城跡・今里遺跡、湯田の市ノ原遺跡では旧石器時代の細石器が出ている。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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