東道の主人(読み)とうどうのしゅじん

精選版 日本国語大辞典 「東道の主人」の意味・読み・例文・類語

とうどう【東道】 の=主人(しゅじん)[=主(しゅ)

  1. ( 東方道筋主人の意から ) 主人となって、客の世話案内をすること。また、その人。東道
    1. [初出の実例]「東道主人如会面。定応双眼為君青」(出典空華集(1359‐68頃)七・用韻送已知客辞母之関東)
    2. [その他の文献]〔紅楼夢‐第三七〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

故事成語を知る辞典 「東道の主人」の解説

東道の主人

来客の世話係や案内人を指すことば。

[使用例] 僕は東道の主人となって新五に東京を紹介し[徳冨蘆花*思出の記|1900~01]

[由来] 「春秋左氏伝こう三〇年」に出て来るエピソードから。紀元前七世紀、春秋時代の中国で、ていという小国が、西の方から攻めてきたしんという大国の軍に包囲されたときのこと。鄭の家臣が秦の君主と会い、鄭を滅ぼすよりも、「東道の主(東方に行くときの世話係)」にしておいたほうが得策でしょうと説得したので、秦軍は引き揚げたとのことです。

出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android