東門寺(読み)とうもんじ

日本歴史地名大系 「東門寺」の解説

東門寺
とうもんじ

背振せふり山の山頂にあった天台宗寺院で、背振神社(現佐賀県脊振村)神宮寺。長享三年(一四八九)正月二二日の東門寺文書紛失状案(修学院文書/佐賀県史料集成五)によると、往時背振山上宮東門寺の堂舎として本社・御宝殿・大講堂・鐘楼・九間拝殿・乙護法宝殿・三郎護法宝殿・箕護法宝殿などの伽藍があり、また一和尚を筆頭に五戒坊・実城坊・大教坊・円光坊・真蔵坊・金光坊脇山衆徒として寂光坊・円周坊・上ノ坊が連署している。ほかに中宝殿が知られ、この免田として「くほの名」(長禄四年三月二七日「六郎三郎くぼの名田数坪付」東門寺古証文/黒田家文書一)、「深渡之村」があり(享禄五年二月二六日「箱田長安・積善坊菊千代丸連署宛行状」同上)があり、ともに積善坊が管領していた。

正安二年(一三〇〇)三月三日には背振山水上本坊の法橋長印から肥前国背振山水上本坊・上宮本坊・同政所職・同国袋向島免田畠在家等とともに、筑前国脇山わきやま免田畠屋敷在家・同国岩門いわど(現那珂川町)別所毘沙門寺院主職・同免田在家等が文珠丸に譲与された(「長印置文案」修学院文書/鎌倉遺文二七)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

スキマバイト

働き手が自分の働きたい時間に合わせて短時間・単発の仕事に就くこと。「スポットワーク」とも呼ばれる。単発の仕事を請け負う働き方「ギグワーク」のうち、雇用契約を結んで働く形態を指す場合が多い。働き手と企...

スキマバイトの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android