枌楡(読み)ふんゆ

精選版 日本国語大辞典 「枌楡」の意味・読み・例文・類語

ふん‐ゆ【枌楡】

〘名〙
ニレの木。
※本朝無題詩(1162‐64頃)二・賦秋景気〈藤原忠通〉「枌楡染色林端雨。蘆荻有声郷外風」 〔礼記内則
② (漢の高祖郷里から都に移して父の心を慰めた社の名とその祭神がこの木であるところから) やしろ。神社神域。転じて、上皇御所。また、故郷
江都督納言願文集(平安後)三・祭主願文「司枌楡之釐紫衣而至公卿」 〔張衡‐西京賦〕

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デジタル大辞泉 「枌楡」の意味・読み・例文・類語

ふん‐ゆ【××楡】

ニレの木。
《漢の高祖が、故郷の社にあったニレの木を都に移し、神としてまつったところから》神聖な場所。神社。転じて、故郷。
蘋蘩ひんぱんの礼怠らず、―の影さかんなり」〈保元・上〉

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