株式持合(読み)かぶしきもちあい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「株式持合」の意味・わかりやすい解説

株式持合
かぶしきもちあい

会社がほかの株式会社相互に株式を有すること。相互保有株式ともいう。グループ経営などの一つの手段として行なわれる。1964年の資本自由化以降,外資による会社支配を避けるためにこの手法が進められたが,しだいにその目的は安定株主を増やすことに変わっていった。しかし持ち合いの増加により,株式市場での流通量の減少や投機化のおそれがあること,一般投資家の参加を妨げることなどが懸念された。このため 1981年の改正商法は,会社がほかの株式会社の発行済株式の 4分の1以上を有するとき,後者は,その有する前者の株式につき議決権を行使できないように規制し,2005年以降は会社法に引き継がれた(会社法308条1項かっこ書)。株式保有要件以外にも,経営の実質的支配が可能な関係にある株主も議決権を行使できない旨の規制がなされている(会社法施行規則67条)。また,原則として子会社親会社の株式を取得することが禁じられている(会社法135)。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android