核様体(読み)カクヨウタイ

デジタル大辞泉 「核様体」の意味・読み・例文・類語

かくようたい〔カクエウタイ〕【核様体】

原核生物細胞にあるDNARNAたんぱく質などが入った構造体真核生物の二重膜からなる核膜とは異なり、一枚の膜で囲まれる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「核様体」の意味・わかりやすい解説

核様体
かくようたい

(1) pyrenoid ピレノイド,デンプン核ともいう。ケイ藻,接合藻,緑藻のほとんどすべて,紅藻,コケの一部など,下等植物の色素体にみられる小体。無色脂質を含む蛋白質性の物質で,屈折率が高く,やや光って見える。デンプンの小粒で取囲まれていることがあり,貯蔵に関与すると考えられる。くびれて,二分裂により増殖するといわれるが,新たに形成されることもある。電子顕微鏡的研究によると,色素体のラメラがピレノイド内に入り込み,あるいは貫通する。 (2) nucleoid 原核生物,すなわち細菌藍藻の遺伝物質は細胞の中央部に集っているが,明確に核膜では囲まれていない。この部分を核様体と称する。

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世界大百科事典(旧版)内の核様体の言及

【ピレノイド】より

…藻類の葉緑体にある核様の小体で,タンパク質としての性質を示し,合成されたデンプンが貯蔵デンプンとなる際その核となる。核様体,デンプン核などともいわれる。葉緑体に埋まっているが,屈折率が高くて光学顕微鏡でも容易に観察されるため,藻類の分類の指標形質として古くから注目されてきた。…

※「核様体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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