根城村(読み)ねじようむら

日本歴史地名大系 「根城村」の解説

根城村
ねじようむら

[現在地名]八戸市根城、根城三丁目の一部、同四丁目の半分、同六―七丁目の大半、同五丁目・同八丁目

八戸城下の西に位置する。南方から延びる丘陵台地に立地し、北を馬淵まべち川が東流する。東は売市うるいち村・沢里さわさと村、西は田面木たものき村、南は是川これかわ村、北は川を隔てて長苗代ながなわしろ村に接する。北端三戸さんのへ街道が東西に通る。

建武元年(一三三四)南部師行が根城に居城して以来根城南部氏の本拠地となり、当村はその城下町として発達した。城下町のうち城郭の北側、馬淵川沿いの低地は町人屋敷地となり、した町と称された。当時馬淵川は現流路の北を流れ、下町は現在の対岸一帯にまで広がっていたとされる。現長苗代の内舟渡ないみなとは舟着場として利用された所といい、近くに二日市ふつかいち紺屋こんや町・幕ノ内まくのうちなどの地名が残る。城郭の東側は侍屋敷地となり、うえ町と称された。東方のかつての無縁むえん(現根城四丁目の北)には首切場があったと伝える。

城に付属して多くの寺社があったものとみられるが、不明な点が多い。「南部諸城の研究」によれば根城南部氏の菩提所として妙泉寺・東禅とうぜん(善)寺があり、祈願所として善応寺・じよう(成)ふく寺・瑞応寺・八幡社(八幡宮)・期足社・稲荷・山谷観音・熊野社などがあった。ほかに天満宮・松崎観音・西来院・常宗寺・宝泉院・源蔵院・禅源ぜんげん院・十王堂柳元りゆうげん(龍源)寺・天聖てんしよう寺などもあった。このうち東禅寺は東善寺とうぜんじ館内、八幡社は西ノ沢にしのさわの西の丘陵地、天満宮は東善寺館の南東、禅源院は沢里館の北東、山谷観音は同館の南東にあり、十王堂は下町にあった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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