棚経(読み)タナギョウ

デジタル大辞泉 「棚経」の意味・読み・例文・類語

たな‐ぎょう〔‐ギヤウ〕【棚経】

盂蘭盆会うらぼんえのとき、僧侶精霊棚しょうりょうだなの前で読経すること。 秋》「ひあはひの風に―すみにけり/水巴

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精選版 日本国語大辞典 「棚経」の意味・読み・例文・類語

たな‐ぎょう‥ギャウ【棚経】

  1. 棚経〈東京風俗志〉
    棚経〈東京風俗志〉
  2. 〘 名詞 〙 盂蘭盆会(うらぼんえ)に、それぞれの家の精霊棚(しょうりょうだな)の前で菩提寺の僧が読経すること。また、その経。《 季語・秋 》
    1. [初出の実例]「旦那寺の泉蔵主、棚経(タナキャウ)読みに来」(出典仮名草子・片仮名本因果物語(1661)中)
    2. 「棚経にあくるやふせのうら盆会〈友静〉」(出典:俳諧・桜川(1674)秋一)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「棚経」の意味・わかりやすい解説

棚経
たなぎょう

7月(または8月)13日から15日の盂蘭盆(うらぼん)のとき、僧侶(そうりょ)が寺院所属の檀家(だんか)に赴き、亡き人の霊を祀(まつ)った精霊棚(しょうりょうだな)の前で読経(どきょう)すること。日時は地域により異なる。7月や12月に祭壇を設け祖霊を祀る風習は近世以前にもあったが、僧侶が赴き読経するようになったのは、江戸時代のキリスト教禁止、邪宗門改めに基づくといわれる。

[石川力山]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「棚経」の意味・わかりやすい解説

棚経
たなぎょう

盂蘭盆会に檀家の請いによって僧侶が仏壇,精霊棚の前で読経し,祖先の霊を祀ることをいう。棚行とも書く。

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世界大百科事典(旧版)内の棚経の言及

【盂蘭盆会】より

…盆棚は臨時の祭壇であるが,これが仏壇の原初形態とみられる。檀那寺から僧侶が各戸に出向き,精霊棚に読経するが,これを棚経といい,江戸時代から盛んとなった。また盆の期間に,精霊を供養するために盆踊が行われるが,位牌を背負って踊る土地も今に残っている。…

※「棚経」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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