精霊棚(読み)ショウリョウダナ

デジタル大辞泉 「精霊棚」の意味・読み・例文・類語

しょうりょう‐だな〔シヤウリヤウ‐〕【精霊棚】

盂蘭盆うらぼんに、先祖精霊を迎えるために用意する棚。位牌いはいを安置し、季節野菜果物などを供える。たまだな。 秋》

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葬儀辞典 「精霊棚」の解説

精霊棚

お盆に、ご先祖の霊を迎えるための供物を飾る棚。盆棚とも言われます。昔は仏壇を利用せず、どの家庭でも庭先座敷に飾り、祖霊をお迎えする特別の祭壇でした。近年では、仏壇の前に設けます。精霊棚は、10日〜13日の朝に作りますが、新盆の家では1日〜7日までに作るところが多くあります。一般的には、仏壇の前の小机の上に真菰(まこも)やゴザを敷いて、位牌を安置します。ナスの牛やキュウリの馬などを作って飾ります。これらは、この世とあの世との往復に先祖の霊が使う乗り物として考えられています。その他、果物・菓子・故人好物などを供えます。

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世界大百科事典(旧版)内の精霊棚の言及

【盂蘭盆会】より

…盆に迎える精霊(しようりよう)は祖霊(本仏),新仏(前年の盆から当年の盆までの死者),無縁仏または餓鬼仏(祭り手のなくなった仏)の3者である。これらの精霊を祭るために盆棚,精霊棚を設ける。棚は土地によって異なるが,青竹が用いられ,上にマコモのむしろやござを敷き,仏壇から位牌や法名軸を移し,花立,線香立など仏具も並べ,だんご,そうめん,季節の野菜,果物などを供え,水鉢を置くのが基本である。…

【仏壇】より

…仏壇の原義は本尊仏のまつり場所にあったが,民家に生じた仏壇は,位牌を安置することからもわかるように先祖供養の場所としての性格を強くもつにいたり,本尊仏もしばしば先祖と結びついて語られる傾向になった。在家の厨子型仏壇は外形的には古代寺院,中世の持仏堂や仏間に系譜を求めることができるが,民間に仏壇が受容された信仰的背景には盆の精霊棚(しようりようだな)の存在があげられる。新仏のある家では盆の期間中,縁側などに精霊棚を設けて新仏をまつるが,こうした臨時の仏棚(ほとけだな)が魂祭の際に設けられていた前史があり,近世の仏教の影響から常設の仏壇も容易に受容されたと考えられる。…

※「精霊棚」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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