棲遅(読み)セイチ

デジタル大辞泉 「棲遅」の意味・読み・例文・類語

せい‐ち【×棲遅/×栖遅】

[名](スル)ゆっくりと心静かに住むこと。世俗を離れて田園に住むこと。また、そのような人の家。
「以前から別荘にしてあった世田ヶ谷の廃屋に―した」〈荷風つゆのあとさき

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精選版 日本国語大辞典 「棲遅」の意味・読み・例文・類語

せい‐ち【棲遅・栖遅】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ゆっくりと心静かに住むこと。いこい安らいでくらすこと。
    1. [初出の実例]「眺矚存閑静、栖遅忌劇務」(出典:凌雲集(814)謁海上人〈仲雄王〉)
    2. 「貉邱記〈略〉貉名団三郎。従卒衆多。開国以来栖遅乎此」(出典:島根のすさみ‐天保二年(1840)九月一〇日)
    3. [その他の文献]〔詩経‐小雅・北山〕
  3. 世俗を離れて田野に住んでいること。官に仕えず、民間にあること。閑居すること。また、その人の家。
    1. [初出の実例]「栖遅身未達、亡考早為煙」(出典:江吏部集(1010‐11頃)中・述懐古調詩一百韻)
    2. 「何(いか)なる人の棲遅(セイチ)にてかあるらん」(出典:太平記(14C後)三五)
    3. [その他の文献]〔禰衡‐鸚鵡賦〕

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普及版 字通 「棲遅」の読み・字形・画数・意味

【棲遅】せいち

もと引をいう語。のち、のんびり隠居する意に用いる。唐・李賀〔致酒行〕詩 零して棲遲す、一杯の酒 人觴を奉ず、客長壽せよと

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