デジタル大辞泉 「植込み型除細動器」の意味・読み・例文・類語
うえこみがた‐じょさいどうき〔うゑこみがたヂヨサイドウキ〕【植(え)込み型除細動器】
[補説]ICDはチタン製の本体と1本または複数のリード線から構成される。本体には電子回路・電池・コンデンサーなどが内蔵され、通常は患者の左胸上部の皮下に植え込まれる。リード線は鎖骨下の静脈から挿入し、心室内の適切な位置に留置される。このリードを通じて心臓の動きを常時監視し、致死性の不整脈を感知すると、適切な電気ショックを発生させ心臓の拍動を正常なリズムに戻す。電池が消耗するため5~10年ごとに手術をして交換する必要がある。ICDを植え込んだ患者は、通常3~6か月ごとに定期健診を受け、プログラマーと呼ばれる装置によって体外からICD内の電子回路と交信し、発作時の動作記録や電池残量などを確認する。また病状の変化に必要に応じてICDの設定を変更することもできる。ICDには徐脈性不整脈を治療するペースメーカーの機能も搭載されている。また、左右の心室にほぼ同時に電気ショックを与える機能を搭載したCRT-D(cardiac resynchronization therapy defibrillator)と呼ばれる装置もあり、重症の心不全の治療などに用いられる。