心室頻拍(読み)シンシツヒンパク(その他表記)Ventricular Tachycardia

デジタル大辞泉 「心室頻拍」の意味・読み・例文・類語

しんしつ‐ひんぱく【心室頻拍】

心室の一部で異常な電気刺激が発生し、脈拍が異常に早くなる状態。1分間に100回以上の拍動が3拍以上続くものを心室頻拍という。頻脈性不整脈の一つ。
[補説]心室の一部で筋肉が変性し、電気刺激がその部位旋回したり、そこから電気刺激が早い頻度で規則的に送り出されることによって起こる。心室頻拍が起こると心室が小刻みに動き、血液を十分に送り出すことができなくなり、血圧が低下する。30秒以上続くとめまい失神を起こすことがあり、心不全心室細動を引き起こすおそれもある。抗不整脈薬投与、原因部位の焼灼植え込み型除細動器ICD)による治療などがある。

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関連語 心筋焼灼術

家庭医学館 「心室頻拍」の解説

しんしつひんぱく【心室頻拍 Ventricular Tachycardia】

[どんな病気か]
 心室でリズムの速い電気的な興奮がおこり、脈が突然速くなる病気です。心室は、血液を心臓の外へ送り出す源です。ここに速い不整脈(ふせいみゃく)が生じると、血液を十分に送り出せなくなり、血圧が下がり、動悸(どうき)、息切れ、失神(しっしん)などがおこります。
 とくに、心筋梗塞(しんきんこうそく)や心筋症(しんきんしょう)に関連して心室頻拍が生じ、それが数分以上も続くと、より危険な心室細動(しんしつさいどう)に移行することがあるため、すばやい処置が必要になります。
[原因]
 心臓病のために心室の筋肉に変性がおこると、そこに異常な伝導路が形成されて電気の旋回(せんかい)(空回り)がおこったり、新たに電気を発生する部位ができて電気刺激を送るようになります。これが心室頻拍の原因となります。
 一方、心臓病がないにもかかわらず心室頻拍がおこる場合もあります。特発性心室頻拍(とくはつせいしんしつひんぱく)といいますが、これは心臓病にともなう心室頻拍より危険が少ないとされています。
[治療]
 抗不整脈薬で治療します。薬剤が効かない場合は、カテーテルアブレーションコラムカテーテルアブレーション(心筋焼灼術)」)や外科手術、または、植(う)え込(こ)み型除細動器(がたじょさいどうき)(コラム「植え込み型除細動器」)が必要になることがあります。

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