プログラマー(読み)ぷろぐらまー(英語表記)programmer

翻訳|programmer

日本大百科全書(ニッポニカ) 「プログラマー」の意味・わかりやすい解説

プログラマー
ぷろぐらまー
programmer

コンピュータの処理命令すなわちプログラムを作成する技術者のことをいう。コンピュータを使って業務を処理するプログラムを開発する作業は通常、次の手順を踏んで行われる。(1)業務の手順、伝票の流れ、指令の流れを詳しく調べ、これをどのような形でコンピュータにのせるかを決める業務分析。(2)運用を含めて、その業務を遂行するために必要なコンピュータの処理機能をまとめる要求仕様の決定。(3)要求仕様を具体化するためのデータ構成、プログラム構成などを決める基本設計。(4)基本設計を分解して一つ一つのプログラム単位の機能を決める詳細設計。(5)詳細設計仕様書に基づいてプログラムを作成するコーディング単体テスト。(6)全体のプログラムをまとめて試験する総合テスト。コンピュータ化システムは、以上の過程を経て運用を開始することになる。

 プログラマーは、狭義には以上のうち(5)以前の作業を行う要員といわれているが、作業の切り分けがはっきりしない場合が多いこと、1人の技術者が受けもつ作業の分担を限定しがたいことなどの理由から、一般にプログラマーというと(1)から(6)までのプログラム開発に携わる技術者全体をさすようである。狭義の分類をすれば、(1)から(3)を受けもつ技術者をアナリストまたはシステム・エンジニア、(5)を受けもつ技術者をコーダーとよぶ場合がある。

 プログラマーとして仕事をするには、少なくともコンピュータの十分な知識が必要で、プログラム言語、オペレーティングシステムコマンドファイリング・システムの運用法、画面設定その他作業ツールの使い方などを熟知していなければならない。近年とくにコンピュータの機種拡張や機能の拡大に伴い、画面応答、オンライン、マイコンによる制御、コンピュータ・ネットワークなどの多岐にわたる応用が普及しているので、プログラマーに要求される知識も広範囲になりつつある。

 プログラマーになるために必要な素質は、細心の注意力をもつこと、ミスの少ないこと、推理力のあることが基本とされる。コンピュータは本来数値計算をするための機械だが、特殊な技術計算業務以外は、プログラム開発業務は数学とはほとんど無縁である。プログラマーとしての適性を調べる種々のテストが考案されているが、ある程度の目安とすることができよう。

[小野勝章]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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