楊素(読み)ようそ(その他表記)Yang Su

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「楊素」の意味・わかりやすい解説

楊素
ようそ
Yang Su

[生]?
[没]大業2(606).7.23.
中国,隋の権臣。弘農華陰 (陝西省渭南県) の人。字は処道。代々北朝に仕えた官僚の家に生れ,初め北周に仕え,やがて楊堅 (→文帝) と結んで隋朝の基礎固めに貢献。陳の征討に際しては信州総管として大艦を建造,荊州攻略に功を立て,江南反乱を平定した。高けいと朝政を握って「開皇の治」をもたらし,越国公に封じられ,一族栄華をきわめた。王子広 (のちの煬帝〈ようだい〉) と結び,その立太子を実現したが,晩年は煬帝に忌まれた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「楊素」の意味・わかりやすい解説

楊素
ようそ
(?―606)

中国、隋(ずい)の大官。気性壮大で文章にも優れていた。隋の文帝と結んで隋朝を興し(581)、開皇律令(かいこうりつれい)を定めた。晋王(しんおう)広と南朝陳の討伐に活躍。内史令、尚書右僕射(うぼくや)など大官を歴任し、高熲(こうけい)と政治の実権を握り、皇太子勇を廃し、弟の晋王広をこれにかえた。晩年は文帝に嫌われ、広が煬帝(ようだい)となってからも、外見は礼遇され、実は遠ざけられた。のち長子の楊玄感が反乱を起こした。

[布目潮渢]

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