デジタル大辞泉 「極成層圏雲」の意味・読み・例文・類語 きょくせいそうけん‐うん【極成層圏雲】 極地や高緯度地域で、成層圏の高度20キロメートル付近に現れる特殊な雲。セ氏零下80度程度まで気温が下がり、大気中の水蒸気・硝酸・硫酸などが凝結することによって形成される。通常の雲よりも高い空にできるため、日出前や日没後も太陽光があたり、虹色に輝いて見える。極域成層圏雲。極成層雲。真珠母雲しんじゅぼぐも。真珠雲。PSC(polar stratospheric cloud)。[補説]極成層圏雲を形成する雲粒は、オゾンを破壊する塩素原子を放出しやすい塩素化合物を蓄積するなど、オゾン層の破壊に深く関与していると考えられている。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
百科事典マイペディア 「極成層圏雲」の意味・わかりやすい解説 極成層圏雲【きょくせいそうけんうん】 成層圏に現れるエーロゾルの雲,氷,硫酸や硝酸の液滴が凍ったものなどからなる氷晶。極域は冬季太陽があたらないため温度が下がる。−75℃より下がると上記の氷ができ雲を形成する。オゾンホールは南極では春8〜10月ごろ形成されるが,この雲は冬季に形成され,オゾンホールに関連する物質を準備あるいは化学反応を起こしやすくする役割があると考えられている。高度は15〜20kmくらいである。南極のライダー観測から冬季気温が低い期間が続くとエーロゾルが異常に増加する現象が見つかっているが,この雲と考えられている。地平線下の太陽の位置から判断すると,それらしき高さにあると考えられる雲が南極昭和基地で見られている。 出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報