精選版 日本国語大辞典 「榛木」の意味・読み・例文・類語
はん‐の‐き【榛木】
- 〘 名詞 〙
- ① ( 「はりのき(榛木)」の変化した語 ) カバノキ科の落葉高木。各地の山野の湿った所に生え、水田の畔に植えて稲掛け用としたり、護岸用に川岸に植えたりする。高さ一五メートル、径六〇センチメートルに達する。葉は有柄で長さ五~一三センチメートルの長楕円形。縁に細鋸歯(きょし)がある。雌雄同株。早春、葉に先だって開花する。雄花穂は黒褐色の円柱形で尾状に垂れ、雌花穂は楕円形で紅紫色を帯び雄花穂の下部につく。果実は小さな松かさ状。樹皮・果実を古くは染料に用いた。材は薪炭・建築・器具用。表記に用いる榛は、ハシバミの漢名で、漢名に当てる赤楊は正しくない。
- [初出の実例]「榛(ハン)の木の日に背たる若葉哉〈未陌〉 鮎さかさまに游ぐ石垢〈同〉」(出典:俳諧・若葉合(1696))
- ② 植物「やしゃぶし(夜叉五倍子)」の異名。