構造機能分析的政治学(読み)こうぞうきのうぶんせきてきせいじがく(その他表記)structural-functional analysis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「構造機能分析的政治学」の意味・わかりやすい解説

構造機能分析的政治学
こうぞうきのうぶんせきてきせいじがく
structural-functional analysis

構造機能分析の先駆は,20世紀初頭の人類学者 B.マリノフスキー,R.ブラウンなどに求められる。その後,社会学の分野でもこの方法がとられ,洗練されるにいたった (→構造・機能的分析 ) 。 1950年代以降になると,幾人かの学者が特に比較政治学の分野で構造機能分析をさまざまな政治現象の分析に適用しはじめた。たとえば G.アーモンド,D.アプター,W.ミッチェルなどは T.パーソンズや M.レビの分析枠組みを政治分析に応用しようとした。用語や理論構成において同一というわけではなかったが,共通の特質もいくつかみられる。すなわち,(1) 全体としてのシステムを分析の単位として強調する,(2) システム全体の維持のために,特定の機能を要件として設定する,(3) システム全体のなかで,さまざまな構造が機能的に相互依存していることを証明しようとする,などである。構造機能分析はこのように機能をシステムとの関連のもとにとらえることによって,非西欧世界の政治現象の解明成果をあげ,比較政治学を前進させた。しかし概念規定が不明確であるほかに,たとえば分析目的のために安定存続のみを前提とする要件分析に終始し,また既存パターンの機能態様を描こうとして現存秩序の擁護に傾いているとの批判を受けている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android