槿花一日の栄（読み）キンカイチジツノエイ

デジタル大辞泉

槿花きんか一日いちじつの栄えい

《白居易「放言」から》栄華がはかないこと。一炊の夢。槿花一朝いっちょうの夢。→槿花1

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

きんか【槿花】=一日(いちじつ)の栄(えい・さかえ)［=一晨(いっしん)の栄(さかえ)・=一朝(いっちょう)の栄(さかえ)］

1. 栄華のはかないことのたとえ。つかのまの盛り。槿花一日。
   1. [初出の実例]「松樹千年終に是朽ぬ。槿花(キンク_ハ)一日の栄(サカヘ)に誇る事なかれ」(出典：妻鏡（1300頃か）)
   2. [その他の文献]〔白居易‐放言五首詩〕

出典　精選版 日本国語大辞典

故事成語を知る辞典

槿花一日の栄

栄華のはかないことのたとえ。

[使用例] 朝顔は〈略〉其その花が槿花一朝の栄えで有ると云う所から、絶えず可憐な花として歌われ［若月紫蘭＊東京年中行事｜1911］

[由来] 八～九世紀の中国、唐王朝の時代の詩人、白居易の詩の一節から。「松の木は一〇〇〇年経ってようやく枯れるが、『槿花は一日にして自ずから栄を為なす（朝咲いて夕べにはしぼんでしまうムクゲの花は、一日だけで自然と盛りが終わる）』」とうたって、現世に執着することの愚かさを説いています。なお、「槿」はムクゲのことですが、朝顔のことだと解釈されることもあります。

〔異形〕槿花一朝の栄え／槿花一朝の夢。

出典　故事成語を知る辞典

ことわざを知る辞典

槿花一日の栄

朝咲いて夕べにはしぼんでしまう槿花は、その華麗な花の美しさも一日のものでしかない。栄華のはかないことのたとえ。

[使用例] 朝顔は〈略〉その花が槿花一朝の栄えであるというところから、絶えず可憐な花として歌われ［若月紫蘭＊東京年中行事｜1911］

[解説] 白居易の詩「放言五首」に「松樹は千年なるも終ついに是これに朽つ、槿花は一日なるも自ら栄を為す」とあります。

出典　ことわざを知る辞典