橘知茂(読み)たちばなのとももち

朝日日本歴史人物事典 「橘知茂」の解説

橘知茂

没年:弘長3(1263)
生年:生年不詳
鎌倉時代の西園寺家の家司。西園寺実氏やその娘の大宮院に仕えた。実氏の知行する備前国(岡山県)の目代,同家が領家職を有する安芸国(広島県)沼田庄,筑前宗像社の預所などをつとめ,多大の富を蓄えた。瀬戸内海海上交通日宋貿易に関与していた可能性も考えられる。大宮院の御所である五条殿を2度にわたって造営したことが『五代帝王物語』にみえている。知茂の一族西園寺家との関係は鎌倉時代を通じて続いており,彼らの活動は同家の興隆を経済的に支える役割を果たしていたといえよう。<参考文献>五味文彦『武士文士中世史』,網野善彦「西園寺家とその所領」(『国史学』146号)

(本郷恵子)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「橘知茂」の解説

橘知茂 たちばなの-とももち

?-1263 鎌倉時代の公家
橘知宣(とものぶ)の孫。西園寺(さいおんじ)家の家司(けいし)。西園寺実氏(さねうじ)につかえる。若狭守(わかさのかみ),弾正大弼(だいひつ),備中(びっちゅうの)守などを歴任。安芸(あき)(広島県)沼田(ぬたの)荘,筑前(ちくぜん)(福岡県)宗像(むなかた)社の預所(あずかりどころ)などをつとめ,実氏の娘大宮院の御所である五条殿の造営も担当した。正四位下。弘長(こうちょう)3年死去。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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