機能主義人類学(読み)きのうしゅぎじんるいがく(英語表記)functional anthropology

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「機能主義人類学」の意味・わかりやすい解説

機能主義人類学
きのうしゅぎじんるいがく
functional anthropology

1920年代にイギリスの A.ラドクリフ=ブラウンや B.マリノフスキーらが主張した文化人類学の一理論。 19世紀における民族学がおもに個々の文化要素の比較研究から成り立っていたのに対し,彼らは,個々の文化要素はそれぞれ独自の機能を果しながら,全体としての一つの文化を有機的に構成しているのであって,人類学者は一構成要素にすぎない個々の文化要素を切り離して考えるべきではなく,文化の全体構造からみて個々の機能を明らかにすべきであると主張して,20世紀中頃の欧米では,基本的にこの立場をとる人類学者が主流となった。これに対し,静態論的・反歴史的との批判もあったが,人類学を体系的な学問へと発展させた功績は大きい。構造の概念を重視するラドクリフブラウンの立場から,構造機能主義 structural functionalismとも呼ばれる。 (→構造主義人類学 )  

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android