機能性農作物(読み)キノウセイノウサクブツ

デジタル大辞泉 「機能性農作物」の意味・読み・例文・類語

きのうせい‐のうさくぶつ【機能性農作物】

品種改良や生産方法の改良などにより、疲労回復・老化防止・生活習慣病予防などに効果があるとされる成分(機能性成分)を通常よりも多く含んだ農産物総称。機能成分高含有農産物。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「機能性農作物」の意味・わかりやすい解説

機能性農作物
きのうせいのうさくぶつ

品種改良や栽培方法の工夫により、特定の栄養素を追加したり、本来の量よりも増やした農作物。生活習慣病や認知症の予防に役だつような栄養素が通常の農作物よりも多いのが特長で、ルチンを増やしたソバアントシアニンを増やしたジャガイモアミロースを増やした米、メチル化カテキンを増やした緑茶、β(ベータ)カロテンを増やしたサツマイモなどがある。国も研究開発を後押ししており、農林水産省は2012年度(平成24)補正予算20億円に基づき「機能性をもつ農林水産物・食品開発プロジェクト」をスタート。「食後血糖上昇を抑制する表面研削加工玄米やその加工食品の開発」(筑波大学医学医療系)、「認知機能障害予防作用をもつケルセチン高含有タマネギの栽培技術及び加工食品の開発」(徳島大学大学院)など多くのプロジェクトに研究費の支援を行う。しかし、「機能性」の定義はなく、あくまで自称。消費者庁から許可を受ける「特定保健用食品トクホ)」とは異なり、ラベルなどに具体的な効用を記すことはできない。

[編集部]

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