歌切(読み)ウタギレ

デジタル大辞泉 「歌切」の意味・読み・例文・類語

うた‐ぎれ【歌切】

和歌冊子巻物などにある古人名筆を、手鑑てかがみにはりつけたり掛け物に仕立てたりするのに適した大きさに切り取ったもの。古今集高野切こうやぎれ小野道風本阿弥切ほんあみぎれなど。

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精選版 日本国語大辞典 「歌切」の意味・読み・例文・類語

うた‐ぎれ【歌切】

〘名〙 和歌の冊子、または巻物などにある古人の筆跡を、鑑賞目的で適宜の大きさに切ったもの。手鑑(てかがみ)にはりこんだり、または掛物に作ったりする。
浮世草子好色一代男(1682)六「了佐極(きはめ)の手鑑、定家の歌切(ウタキレ)

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世界大百科事典(旧版)内の歌切の言及

【古筆】より

…そのために古筆巻物の切られることも激しくなり,その流行にともない,筆跡の鑑定をおこなう古筆了佐のような専門家もあらわれた。古筆切はそのほとんどが歌切,文切,経切からなり,ことに歌切が多い。歌切は勅撰あるいは私撰の和歌集,歌合(うたあわせ),《和漢朗詠集》の断簡など,文切は物語,縁起,手本,歌論書,漢籍,書状消息など,経切は写経および律,論の仏書などである。…

※「歌切」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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