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手鑑 てかがみ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

手鑑
てかがみ

古筆切経巻,その他の筆跡を張った折本装の帖。安土桃山時代頃から始り江戸時代に盛行した。張り方としては聖武天皇,光明皇后筆と伝称する写経 (→大聖武 ) などから始り,歴代の天皇,貴族,能書家,高僧,武家,女性といったように大別し,年代順とするのが一般的。古来の名筆家の筆跡が収録されているので書道史研究上重視される。著名な遺品には『月台』 (東京国立博物館) ,『藻塩草』 (国宝,京都国立博物館) ,『見ぬ世の友』 (国宝) ,近衛家煕編集の『大手鑑』 (国宝,陽明文庫) ,『翰墨城』などがある。

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百科事典マイペディアの解説

手鑑【てかがみ】

古筆鑑定,鑑賞のために,各時代名家の筆跡の断簡や色紙,短冊などをはり込んだ帖。桃山時代以前に始まり,江戸時代に盛んとなり,武家,公家では大切な嫁入道具の一つとなった。

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世界大百科事典 第2版の解説

てかがみ【手鑑】

名筆の鑑賞や筆者の鑑定のために,経巻や和歌,漢詩書,消息などの巻子本や冊子本からその一部を切り取って蒐集し,帖に編集したもの。古筆鑑賞が隆盛した桃山時代から江戸時代を通じて作成され,天皇から庶民に至るまでおおいに流行した。室町以前の古筆をまとめて編集したものをとくに古筆手鑑といい,慶長期(1596‐1615)以後の筆蹟を集めた新筆手鑑と区別して呼ぶこともある。また写経手鑑,色紙短冊手鑑,古文書手鑑などもつくられた。

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大辞林 第三版の解説

てかがみ【手鑑】

代表的な古人の筆跡を集めて帖に仕立てたもの。古筆の鑑定用・保存用に作られた。
手本。模範。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

手鑑
てかがみ

古筆切(こひつぎれ)などの書跡の鑑賞形態の一つ。「手」は筆跡、「鑑」は規範、あるいは鏡の意味。厚手の紙を用いて折帖(おりじょう)仕立てにし、優れた筆跡を一定の配列で順序よく貼(は)り込んだもの。つまり、手軽に開いていつでも鑑賞できる筆跡のアルバムである。表は伝聖武(しょうむ)天皇宸筆(しんぴつ)「大聖武(おおじょうむ)」を巻頭に「蝶鳥下絵経切(ちょうとりしたえぎょうぎれ)」と続くのが一般的。普通、1帖だが、2、3帖のものもあり、一紙ごとに伝称筆者、切名、書き出しを記した極札(きわめふだ)が貼付(ちょうふ)される。極め(鑑定)を業とする家では、家伝の古筆手鑑は鑑定の基本台帳的存在でもあった。
 室町末期から多くの古筆が切断され、古筆切愛好の風潮が高まったが、手鑑の流行もそれと軌を一にする。すでに桃山時代に好事家(こうずか)の間で行われており、流行が頂点を極めるのは江戸初期である。貴賤(きせん)を問わず大いにもてはやされ、『慶安(けいあん)手鑑』(1651)など木版手鑑の相次ぐ刊行は、その実態を端的に物語っている。代表的な手鑑に国宝の『翰墨城(かんぼくじょう)』(熱海(あたみ)・MOA美術館)、『見ぬ世の友』(東京・出光(いでみつ)美術館)、『藻塩草(もしおぐさ)』(京都国立博物館)などがある。このほか、短冊手鑑、写経手鑑、古文書手鑑というように、内容の種類を単一に限定したものもつくられた。[尾下多美子]
『京都国立博物館編『藻塩草』(1969・淡交社)』

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