デジタル大辞泉 「止観十乗」の意味・読み・例文・類語 しかん‐じゅうじょう〔シクワンジフジヨウ〕【止観十乗】 「十乗観法じゅうじょうかんぽう」に同じ。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「止観十乗」の意味・読み・例文・類語 しかん‐じゅうじょうシクヮンジフジョウ【止観十乗】 〘 名詞 〙 仏語。十乗観法のこと。「摩訶止観(まかしかん)」の中で説かれている止観を修習する一〇の方法。観不思議境(凡夫の一思いの妄心を不思議境と観ずること。上根のものはこれだけでよいとされる)、発真正菩提心(ほっしんしょうぼだいしん)(真正な菩提心を発し四弘誓願を立てること。最初の観法で成就しない中根のものは対治助開まで行なう)、善巧安心止観(止観を修して一心を安住させること)、破法遍(心のとらわれをすべて破ること)、識通塞(真理に通じるものと妨げるものとの区別を明らかにすること)、道品調適(三十七道品のうち、自己に適したものを用いること)、対治助開(修行の妨げとなる具体的なさまざまな悪を対治して正道の理観の助けとすること)、知次位(みずからの修行の分斉を知ること。以下はさらに下根のものが行なう)、能安忍(よく心の動揺をおさえ、心にかなうことにも、かなわないことにも動じないこと)、無法愛(見せかけの真実を離れ、まことの悟りの位にはいること)をいう。[初出の実例]「止観十乗の梵風は、奸侶を和朝の外に払ひ、瑜伽(ゆか)三密の法雨は、時俗を堯年の昔にかへさん」(出典:平家物語(13C前)七) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例