正調博多節(読み)せいちょうはかたぶし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「正調博多節」の意味・わかりやすい解説

正調博多節
せいちょうはかたぶし

福岡市博多地方の民謡。同地の花柳界お座敷唄(うた)として歌われてきたもので、その源流は山口県下関(しものせき)市の端唄(はうた)『天狗(てんぐ)さま』である。1921年(大正10)夏、不況のため博多花柳界は芸者が廃業するまでに追い込まれたため、人気挽回(ばんかい)策に新しい唄をつくることにした。命名者は福岡日々新聞社の社長三隈雲濤という。旧来の『博多節』(「ドッコイショ」の囃子詞(はやしことば)や「ハイ今晩は」の後囃子の入るもの)と区別する意味で『正調博多節』と命名した。曲は博多水検(すいけん)お秀(本名藤井キエ)が下関時代に覚えた『天狗さま』を利用、歌詞懸賞募集し、同年6月、博多川文座の「正調博多節試演会」で披露した。以来「お秀の博多節」として日本中に広まっていった。

竹内 勉]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル大辞泉プラス 「正調博多節」の解説

正調博多節

福岡県福岡市の民謡。博多の花柳界で歌われるお座敷唄。単に『博多節』とも呼ばれるが、「ドッコイショ」の囃し言葉で知られる同名の民謡とは異なる。

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