20世紀日本人名事典 「武田 泰淳」の解説
武田 泰淳
タケダ タイジュン
- 生年
- 明治45(1912)年2月12日
- 没年
- 昭和51(1976)年10月5日
- 出生地
- 東京市本郷区東片町(現・東京都文京区)
- 旧姓(旧名)
- 大島
- 別名
- 幼名=覚
- 学歴〔年〕
- 東京帝大支那文学科〔昭和7年〕中退
- 主な受賞名〔年〕
- 日本文学大賞(第5回)〔昭和48年〕「快楽」,野間文芸賞(第29回)〔昭和51年〕「目まいのする散歩」
- 経歴
- 父の師僧・武田芳淳の姓を継ぐ。浦和高校在学中から中国文学に関心を持ち、昭和6年東大支那文学科に進む。9年3月竹内好、岡崎俊夫らと中国文学研究会を創設。12年には召集され中支戦線でたたかう。18年「司馬遷―史記の世界」を刊行した。19年中日文化協会に就職。上海で敗戦を迎え、帰国後、本格的に小説を書き始め、22年に「審判」「蝮のすゑ」を発表。翌年、「近代文学」同人に参加する。27年「風媒花」、29年「ひかりごけ」を刊行し、自己の文学を確立、戦後文学の中核的存在となる。他の主な作品に「森と湖のまつり」「秋風秋雨人を愁殺す」「富士」「快楽(けらく)」、評論「人間・文学・歴史」、エッセイ「滅亡について」などがあり、「武田泰淳全集」(全18巻・別巻3巻 筑摩書房)も刊行されている。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報