武蔵野夫人(読み)ムサシノフジン

デジタル大辞泉 「武蔵野夫人」の意味・読み・例文・類語

むさしのふじん【武蔵野夫人】

大岡昇平長編小説。昭和25年(1950)「群像」誌に発表ラディゲ小説ドルジェル伯の舞踏会」に着想を得た恋愛心理小説。溝口健二監督により映画化されている。

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デジタル大辞泉プラス 「武蔵野夫人」の解説

武蔵野夫人

1951年公開の日本映画。監督:溝口健二、原作:大岡昇平、脚本依田義賢脚色福田恒存撮影玉井正夫出演田中絹代森雅之山村聡轟夕起子、中村美那子、片山明彦、進藤英太郎ほか。

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世界大百科事典(旧版)内の武蔵野夫人の言及

【大岡昇平】より

…1944年一兵士として応召出征,45年1月フィリピン戦線でアメリカ軍の捕虜となった。48年この経験を書いた短編《俘虜記(ふりよき)》(合本《俘虜記》では《捉(つか)まるまで》と改題)で文壇に登場,次いで禁欲的な恋愛小説《武蔵野夫人》(1950),敗軍下の戦場での神と人肉食の問題を取りあげた《野火》(1951)を発表,戦後文学を代表する作家の一人となった。その後は評伝《朝の歌――中原中也伝》(1958),《富永太郎の手紙》(1958‐60)で自己の青春に強い影響を及ぼした詩人たちの生涯を確かめ,また《花影》(1958‐59)で無垢な女性の死を描くなど,孤独な人間の生を追求していたが,60年代に入って敗軍の将を主人公とした歴史小説《天誅組》(1963‐64),《将門記》(1965)を発表,続いて大作《レイテ戦記》(1971)を完成した。…

※「武蔵野夫人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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