歩合制度[漁業](読み)ぶあいせいど[ぎょぎょう]

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「歩合制度[漁業]」の意味・わかりやすい解説

歩合制度[漁業]
ぶあいせいど[ぎょぎょう]

漁業における特有な賃金支払い制度。漁獲高を最初から一定の比率 (歩合) で,漁業経営者と漁夫との間で配分する単純歩合制,漁獲高から大仲 (おおなか) と呼ばれる共同負担経費 (市場口銭,油代,食料費など) を控除して,残余を一定の比率で配分する大仲歩合制などがあるが,さらに,固定給を加味した歩合給が漁業生産力の増大とともに採用されるに伴って,とりわけ資本制的な大規模漁業では漁獲高の累進する程度に応じて歩合率が逓増する,一種の出来高報酬制ともいうべき生産奨励給付き歩合制が施行されている。なお,漁夫ないし乗組員相互の配分は,船長,機関長,船頭,油差などの役付きの場合,平漁夫1代 (ひとしろ) の増代 (まししろ) ,たとえば,1.5代とか2代とかが与えられる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android