固定給(読み)コテイキュウ

精選版 日本国語大辞典 「固定給」の意味・読み・例文・類語

こてい‐きゅう‥キフ【固定給】

  1. 〘 名詞 〙 労働能率や出来高に関係なく、一定の金額の支払いが保証されている賃金。
    1. [初出の実例]「中小炭坑は、固定給を少くし、能率給を多くし」(出典:日本の裏街道を行く(1957)〈大宅壮一〉九州イデオロギーの群像)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「固定給」の意味・わかりやすい解説

固定給
こていきゅう

労働能率とは無関係に一定時間の労働に対して一定額として支給される賃金。時間給、月給週給日給などがこれにあたる。通例は、基本給に固定的な手当を含めたものをさす。これに対して、能率や出来高に応じて変動する能率給歩合給出来高給などを変動給という。固定給は、一般に、管理事務、技術部門、生産部門のうち、労働の速度や量よりも確実性を必要とする作業、労働内容の変動性の高い作業、危険作業などに適するとされている。労働者にとっては、定額収入を確保しうるという点で望ましい形態であるが、資本家、経営者にとっても賃金管理が容易であることから、実際の賃金の大部分は固定給となっている。

[横山寿一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android